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1年単位の変形労働時間制とは?年280日・連続6日・週52時間の上限

対象期間を1年にとる変形労働時間制を導入したい。ただ、1か月単位との違いや、置ける労働日数・労働時間の上限、必要な届出がはっきりしない。そんな場面で確認する記事です。

・年間の労働日数は何日まで置けるのか
・連続では何日まで働かせられるのか
・1日・1週の労働時間の上限はいくつか
・就業規則だけで導入できるのか、労使協定と届出は必要か
・36協定はそのままでよいのか

この記事では、対象期間が3か月を超える1年単位の変形労働時間制を対象に、3つの上限と導入手続きを、労働基準法と施行規則、行政資料に沿って整理します。

目次

この記事の結論

1年単位の変形労働時間制では、対象期間が3か月を超える場合の労働日数は1年当たり280日、連続労働日数は原則6日、労働時間は1日10時間・1週52時間が基本的な上限です。特定期間を定めた場合でも、連続勤務は最長12日までです。労使協定、勤務カレンダー、就業規則を一体で確認する必要があります。

根拠条文

労働基準法第32条の4第1項

使用者は、(略)書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、第三十二条の規定にかかわらず、その協定で第二号の対象期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十時間を超えない範囲内において、(略)特定された週において同条第一項の労働時間又は特定された日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。

労働基準法施行規則第12条の4第3項から第5項まで

第三項 (略)対象期間が三箇月を超える場合は対象期間について一年当たり二百八十日とする。

第四項 (略)一日の労働時間の限度は十時間とし、一週間の労働時間の限度は五十二時間とする。

第五項 (略)対象期間における連続して労働させる日数の限度は六日とし、(略)特定期間として定められた期間における連続して労働させる日数の限度は一週間に一日の休日が確保できる日数とする。

3つの上限

年280日|労働日数

対象期間が3か月を超える場合、労働日数は1年当たり280日以内です。対象期間が1年未満なら、「280日×対象期間の暦日数÷365日」で計算し、1日未満を切り捨てます。

旧協定があり、新しい協定で1日の最長労働時間または1週の最長労働時間を一定の基準より延長する場合は、280日より少ない日数が上限となることがあります。前年の協定内容も確認が必要です。

原則6日|連続労働日数

通常の対象期間では連続6日が限度です。繁忙期として労使協定に特定期間を定めた場合は、1週間に1日の休日を確保できる範囲、すなわち最長12日まで設定できます。ただし、長期間の連続勤務を常態化させる運用は制度の趣旨に沿いません。

1日10時間・1週52時間|労働時間

1日の限度は10時間、1週の限度は52時間です。対象期間が3か月を超える場合は、さらに次の両方を満たさなければなりません。

  • 週48時間を超える週を連続させる場合は3週以下
  • 対象期間を初日から3か月ごとに区分し、各期間で週48時間を超える週の初日を3回以下

導入時に必要な手続

1年単位の制度は、就業規則だけでは導入できません。対象労働者、対象期間と起算日、特定期間、労働日・各日の労働時間、有効期間などを労使協定で定め、様式第4号により所轄労働基準監督署長へ届け出ます。勤務義務の根拠となる就業規則も整備し、労働者へ周知します。

労働日と労働時間は事前特定が原則です。業務上の都合だけで任意に変更することはできません。対象期間を1か月以上の期間に区分して後続期間の詳細を定める場合は、各期間の初日の少なくとも30日前までに、過半数労働組合または過半数代表者の同意を得て書面で特定します。

労使協定の有効期間は対象期間より長く設定し、適切な運用のため1年程度とすることが望ましいとされています。次の対象期間へ同じ勤務カレンダーが当然に継続するものではないため、次期分は改めて協定・届出を行います。

36協定も同時に確認する

対象期間が3か月を超える1年単位の変形労働時間制では、36協定の限度時間は月42時間・年320時間です(労働基準法第36条第4項、平成31年4月1日施行)。通常の月45時間・年360時間とは異なるため、制度導入時は36協定側も確認します。

上限や手続を欠いた場合

上限を超える設定や必要な手続の不備があると、制度の適用が否定され、原則の法定労働時間に基づく割増賃金の再計算が必要となるおそれがあります。対象者・対象期間・不備の内容によって結論が異なるため、一律に「全期間が無効」と判断せず、勤務実績と協定内容を個別に確認します。

導入前チェックリスト

  • 対象期間を平均して1週40時間以内か
  • 対象期間が3か月を超える場合、労働日数は上限内か
  • 1日10時間・1週52時間を超えていないか
  • 週48時間超の回数・連続週数を確認したか
  • 連続労働日数は原則6日以内か
  • 労使協定、様式第4号、勤務カレンダー、就業規則が整合しているか
  • 過半数代表者を適正な手続で選出したか
  • 36協定を月42時間・年320時間で確認したか

一次情報・参考資料

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この記事を書いた人

行政の経験を活かす社労士。就業規則・企業型DC・給与計算・助成金が専門。条文を現場で使える形に翻訳して届けます。

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